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  動物に関する法律【民法195条を解釈
   保護動物の所有権取得期間短縮の可能性】


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題名 民法195条を解釈 保護動物の所有権取得期間短縮の可能性
投稿日 : 2005/06/17(Fri) 12:00
投稿者 S
動物の占有による権利の取得
第百九十五条 家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が飼主の占有を離れた時から一箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。

民法も、カタカナからひらがなになり 現代文に改められ、まことに読みやすくなったが
その昔は口語訳六法なる本があるほど読みづらいものであった。
だが 書き改められても195条は難解である。

通説に従って口語訳すると

第百九十五条 野生動物で他人が飼っていたものを保護した者は 保護したときに飼い主がいることを知らず 野生動物と間違えても仕方がない動物種であったなら、一ヶ月間 飼い主の返還請求がなければ その動物の所有権を得る。

まぁ どう考えても、滅多に起きる気遣いのない事態である。

昭和初期の大審院(現在の最高裁に当る)判例によれば
「家畜以外」の動物とは「人の支配に服せずして生活するを通常の状態とする動物」という解釈であり
これが通説となつている。(とはいえ、この条文の判例は他に無く 本条は無用の長物と化している。)
もともと、札幌地裁は
「九官鳥は家畜と謂はんよりは寧ろ家畜外の動物なり」として愛玩動物は「家畜以外」の判決を出したのだが
大審院が差し戻したことにより 哀れな195条は使い道がなくなってしまった。
札幌地裁の判決が判例として有効であったなら、
逸走動物、捕獲動物、遺棄動物は一ヶ月で所有権が取得できたはずである。
(従って、六ヶ月半を待たずに里子に行けることになる。)

どう考えても「家畜以外」を大審院のように「野生動物」と解すると不都合が起こる、
職業猟師は、法的には無主物である野生動物の占有により所有権を取得し益を挙げている。
もし、所有者の存在する野生動物を無主物と誤認したら、損害賠償請求は必至である。
大審院判例は「他人の飼養せる動物が逃失したる場合に於て、其れを捕獲せる者が動物の種類、其の他の事情に依り、之を野生其の他無主物と認むること多きを以って、其の善意を保護せんとする為設けたるものなること明白なり。」
とあるが とんでもない、一ヶ月は無傷で飼育しないと善意無過失(195条違反は別として)であるにも関わらず
損害賠償の責を負うことになる、「善意を保護せんとする為設けたるものなること明白なり。」などとは とんでもない話である。所有権保護の条文としか作用しないのではないか。
当時は まだ多数存在した職業猟師など とても一ヶ月も動物を生かしておくなど不可能であり
195条を遵守しようとすれば とんでもない経費がかかることになる。

世の中には 北海道で個人でヒグマを飼育する人もいる、
このヒグマが逸走して 人家に現れたので野生と誤認して止む無く駆除した場合、
刑事の器物損壊は緊急避難で違法性を阻却されるだろうが、民事の賠償責任は残ってしまう、
熊の胆は高価であるので 相当な金額の賠償額になると思われる、
どうも、善意が保護されているとは言いがたい事態である。

そもそも、「野生動物」なら「家畜以外の動物」などともって回った表現をせず 
「野生動物」と書けばよいのである。(せっかく 現代語に改正したのだから)

さて、「家畜」は英語では LIVINGSTOCKであり、DOMESTIC ANIMALとは概念が異なる、
195条における「家畜」とは「LIVING STOCK」ではないだろうか、
すなわち、益を目的に飼育される動物が「家畜」であって これは動物の種類で容易に判別できる。
愛玩目的に飼育される動物が「家畜以外の動物」という札幌地裁判決の解釈が正しいのではないか。
(明治20年代には 愛護動物やら愛玩動物などという日本語は無かったと思われる、
愛玩動物を表現するには「家畜以外の飼育動物」とするより無かったのであろう)
これならば、この条文は極めて重要な条文になる。
仔犬であれば、一ヶ月以上も居れば、そこが「我家」になってしまう、返還は無慈悲な事である。
成犬であれば、過去の飼い主との絆が問題で 
帰ったほうが良い場合も 残ったほうが良い場合もあるであろう。
そこで 保護者が「その動物について行使する権利を取得する。」
すなわち、所有者に返還するか 自ら所有し飼育を継続するかを決定する権利を取得する、
保護者は善意無過失であるが、所有者は逸走という過失があるので動物の行く末の決定権は保護者に委ねる。
こう 解釈すればこの条文が存在する意味が良く理解できるが 
大審院判例では上記の通りとんでもなく不都合な事態を招来しかねない。
札幌地裁の判決に従えば まことに有用かつ人道にも叶った条文である。

民法全体の構成との整合性 (特に遺失物の所有権取得)から見ても、札幌地裁判決が正しいと思えてならない。
ちなみに OCN翻訳サービスで「家畜外の動物」を英訳してもらったら
Animals other than livestock となった。
不安定な所有権のもとで「譲渡」される「捕獲動物」の福音になれるかもしれない条文である。

口語訳
第百九十五条 産業動物以外の愛護動物を保護したものは、保護の始めに所有者が不明で一ヶ月間所有者から返還の請求がない場合、その動物の措置を決める権利を得る。

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