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  動物に関する法律【再び 民法195条を考える】

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題名 再び 民法195条を考える
投稿日 : 2005/06/27(Mon) 13:18
投稿者 S
何度も読み返すうちに195条は大審院判例が誤解釈しているとしか思えなくなった。

「家畜以外の動物」を「本来、野生の動物」とする大審院の解釈によれば 実際の法運用は下記のようになる。

昭和10年代、某山村に住む農業Sは自宅の納屋にイノシシが入り込んでいるのを見つけた、
棚からボタモチ、果報は寝て待てとはこのことと 早速イノシシをとっ捕まえ
ご近所の衆も呼び集め、イノシシ鍋で大宴会をしてしまった。
ところが、このイノシシは隣村で旅館を経営するTが 名物イノシシの味噌漬用に飼育していたもので
個体に特長があり、容易に個体識別が出来てしまった、(眉間に三日月傷があった とか)
農業Sがイノシシを食べてしまったと聞いた旅館経営Tは、イノシシ代金を農業Sに請求した。
ただし、旅館経営Tが人の噂で農業Sによりイノシシが非業の最期を遂げたと知ったのは、三ヶ月後のことであった。
農業Sは、民法195条により 「一ヶ月請求がなかったのでオラ悪くねぇ」と主張したが
裁判所は 農業Sに代金の支払を命じた、
判決をかいつまむと こうである。

大審院判例によれば、「家畜外の動物」とは「人の支配に服せずして生活するを通常の状態とする動物」であり
当該イノシシは「家畜外の動物」に該当する。
また農業Sが「動物の種類、其の他の事情に依り、之を野生其の他無主物と認むること」は正当な判断である。
従って、農業Sは善意無過失と言うべきものである。
しかし、民法195条は「一箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する。」とあり 即日イノシシ鍋にした農業Sの行為は 旅館経営Tの所有権を侵害したものと認められる、
債権の時効は10年であるので農業Sは 当該イノシシの正当な代価を支払わなければならない。

最後に判事さんは農業Sに「気の毒だけれど、一ヶ月待ってから鍋にしないと駄目なのよ」と言い、
以来、その村ではウナギを釣っても一ヶ月は飼育して蒲焼にする風習が出来たという。
(以上、フィクションであり特定の人物、事件とは関わりありません。)

さて、これが大審院の言う「善意占有者を保護せんとする」法だろうか、
農業Sは、善意無過失であるにも関わらず、代価の支払をしなければならない、
旅館経営Tは、逸走させたという過失があるにも関わらず代価の支払を受けた。
すくなくとも 私の正義感覚では保護していただいたのは、過失あるTであり Sは善意無過失にもかかわらず
賠償義務を負わされたように思える、これは民法の大原則「故意、過失責任」の法理に反すると思う。

札幌地裁もさぞや無念であったと思う。
当時、家畜伝染病予防法(大正11年)があり、特別法が一般法の解釈を規定することはないとはいえ
大審院の百科事典よりは論拠としての価値は高い、
この予防法では家畜とは「牛、馬、羊、鶏、アヒル、ウズラ、ミツバチ」と
「産業動物」が定義されているのである。

民法
(遺失物の拾得)
第二百四十条 遺失物は、遺失物法(明治三十二年法律第八十七号)の定めるところに従い公告をした後六箇月以内にその所有者が判明しないときは、これを拾得した者がその所有権を取得する。
遺失物法
第十二条 誤テ占有シタル物件他人ノ置去リタル物件又ハ逸走ノ家畜ニ関シテハ本法及民法第二百四十条ノ規定ヲ準用ス

195条を大審院判例によって解釈すると上記の遺失物の規定と矛盾を起す。
大審院が想定している「善意」は「誤テ占有シタル」である、「善意の保護」なら 240条の適用で良いはずであるる
なぜ、飼育野生動物のみ特例措置を取らなければならないのか、
逸走の家畜同様、240条の適用ではどんな不都合があるのか、これが さっぱり分からない。
大審院判例により「家畜」になった犬を拾う「善意」と
逸走の野生動物を拾った「善意」に五ヶ月半もの差が必要な必然性が見えない。
そもそも野生動物を飼育しようというのは
普通は食用か見世物か つまり「産業動物」であり家畜伝染病予防法の「家畜」と所有の目的は同じ営利目的である。

野生動物で 「無主の動産」と誤認しても「善意」というからには ありふれた野生動物でなくてはならない、
と すればイノシシ、タヌキ、キツネ、シカ、カモシカといったところであろう、
牛、馬より逸走したら人的被害は大きそうであり、逸走させた過失は家畜よりも大きい。
なぜ、過失ある所有者を かくまで保護しなくてはならないのだろう。
本来なら、逸走した時点で人的被害を鑑み、所有権を失っても(つまり駆除されても)文句の言える立場ではない。

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