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  動物に関する法律【誤解、遺失物法の解釈】

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題名 しつこく、民法195条を考える
投稿日 : 2005/06/27(Mon) 13:26
投稿者 S
大審院判例の「九官鳥返還訴訟事件」は なかなか複雑な事件である。
所有者Aによれば 当該九官鳥は盗まれたものだという、
返還を求められた占有者Bは遺失物の届けも出していない、
所有者Aは新聞広告まで出して探したというから 占有者Bはかなり怪しいと思われる。
昭和初期の小樽に何羽の九官鳥がいたか分からないが、鳥獣店もそう多くはないだろうし
占有者Bが 本気で飼い主を探したかは 甚だ疑わしい、
盗品と知って 購入した可能性も否定できない と大審院は考えたであろう。
判決では占有者Bは「遺失物横領」とまで言われている。
占有者Bに九官鳥の所有権を認めることは、甚だしく大審院の判事の正義感覚に反したであろう、
判決は 所有者Aの勝訴でなければならない、
後は どう法律を解釈するか である。

当時の大審院の判事は まさか70年後に
捨て犬を保護して里子に出そうなどという酔狂な連中が、所有権で困るなどとは夢にも思っていない、
まして行政が 捨て犬か 逸走犬かで困るなどとは夢想だにしていない、
かなり、強引な「家畜」の定義で 所有者Aの勝訴にして、大審院の正義は守られたと安心したことであろう。

しみじみ思うのだが、これが
病気の猫が迷い込んできたので、介抱して助けた、
てっきり野良猫だと思って可愛がって育てていたら 三年後に飼い主があらわれ返還請求が起きた
と いうような事件であったなら(本来 195条はこういうケースを想定していたと思う。)
大審院も百科事典まで持ち出して「猫は家畜」と主張して 返還請求を認めたであろうか、
ぞれで大審院の正義感覚は守られたであろうか、
どうも 日本の動物は とことん つきに見離されている。

この 大審院の判例に数々の矛盾があるとは思うが
このまま、保護一ヶ月の犬の所有権確認訴訟をしても、まず勝てそうもない、
大審院判例の影響も大きいが、民法の巨人 我妻栄が
名著「民法講義Ⅱ物権法」で
「家畜とは、その地方で人に飼養されるのを通常とするものをいう。」と書いているので(とはいえ 初版は確か昭和9年である。)
物権法の試験で 195条新解釈を書いたとしたら(けつこう有名な判例なので試験に出す先生もいそうである)
「面白い」と評価が高い可能性もあるが、「間違い」と単位がもらえないスクも高い。

さて、大審院の権威、大我妻の権威に待ったが掛けられるのは
立法者の意思であり、想定された事態である。
ここで 話は一気に明治20年以前に跳ぶ、
そもそも、現在の民法は明治のままである条文が多い、195条も その一つである。(現代語に直してはあるか゛)
民法施行は物権については明治29年であるが
実は民法施行については 大議論が起きている。
あまり、学問的な価値があるとは言いづらい論争であったが
要は 日本の法律をフランス人に起草させるとは何事か ということである。
では、というのでフランス人法学者ボアソナードの民法草案を破棄して
日本人委員による民法草案を作った ということに表向きはなっているが 
残念ながら編纂委員の梅謙次郎も言う通り
当時の日本の法学者では到底、2000条を越える民法は起草できず
構成はプロシャ民法の形式で 実際の条文はボアソナード草案を そのまま使ったものが多々あるらしい、
70年代に明治民法とボアソナード草案との詳細な突合せが行われ、
それまで、日本法から駆逐されたと信じられていたボアソナード草案が 実は原案として機能していることが証明され
ボアソナード研究が一気に加速され その成果は多くの著作物に結実している。

ところが ボアソナードは語学の才能が無かったのか、(不遜とは思うが親近感が沸くなぁ・・・・)
20年も日本にいながら草案はフランス語で書いたのである。
当時、フランスでは軍用馬の保護法であるグラモン法に始まる、「家畜」と「家庭動物」の保護法が成立過程にあった、
フランスでは職業人が扱う「家畜」と 個人が飼育する「家庭動物」では取扱いが違い、
職業倫理として「家畜」の虐待を重く見る傾向にあった、
つまりフランスでは法的概念としても「家畜」と「家庭動物」は峻別されているはずである。
では、195条はフランス語で何と書いているのか、「家畜」はどの単語を使っているのか、
調べることは不可能ではないが、なにせフランス語がまったく分からない上、本を貸し出してくれるところが分からない、
時間がかかりそうである。(国会図書館かなぁ・・・・・・・)

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